カフェ等でライブをお願いする場合はお店に機材がないことがほとんですから、自分で持ち込む必要があります。「そろそろアンプが欲しいな」というあなたに、弾き語りライブに適したアンプを紹介します。
アンプ選びは機能選びでもあります。ギターとマイクだけつなげればよいのか?音量はどれくらい必要なのか?エフェクター搭載モデルが良いのか??など、あとで失敗した!とならないよう、事前に必要な機能を把握しておく必要があります。
弾き語り用アコギアンプ選定のコツとおすすめ機種を併せて紹介します。
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弾き語り用アンプ選びのコツ
まずは、弾き語り用アンプに必要なアンプの機能を把握しましょう。すでにご存じの方は飛ばしておすすめアンプに進んでくださいね!
チャンネル数の確認
チャンネル数というのはインプットの数を指します。要するにマイクとギターをアンプにインプットするのですから、弾き語りの場合最低2チャンネル必要になります。アンプに2つ以上のインプットがあるものを選択します。
このようにギター、マイクが独立して入力できる構造になっているものが理想です。もし手持ちのアンプをアンプを使う場合に入力がひとつしか無い場合は、ミキサーという別の機器が必要になります。ミキサーは複数の入力系統を1つにまとめることができる機材ですが、できれば最初からこの構造になっている弾き語りに適したアンプを選びましょう。
ちなみに、、、エレキギター用のアンプを弾き語りに使うのは無理があります。エレキギター用アンプはギターの音を歪(ひず)ませて出力するように作られているものがほとんど。逆にアコースティックギターアンプは音を歪ませずに素直に出力するよう作られています。音質という面で作られ方が違うのです。
上の写真を拡大してみると、入力部分はこのようになっています。
GUITARとMICの入力部分は形状が違います。ギターのケーブルとマイクのケーブルはコネクタ(端子)の形状が違うからです。ギターのコネクタは”フォン”という名称で、マイクは”XLR”と呼びます(開発したメーカーにちなんでキャノン端子とも呼ばれます)。とくにマイクのケーブルはノイズ&静電気対策のため、このXLR端子で入力できるアンプを選びましょう。
音量の確認
次に、アンプ自体の性能の話です。
まず、大事になってくるのが音量はどれくらい出るのかということ。音量とアンプ自体の重さは比例してきますので、持ち運びを考えるとできるだけ軽いものを選びたい。ですが、あまり音量が出ないものを選ぶと、様々な大きさの会場に対応できなくなります。
音量の小さい演奏は、お客さんに気を使わせることになりますから、音量には余裕のあるアンプを選びましょう。
では、どれくらいの音量が必要なのか。
アンプの音量はW(ワット)数で比較することができます。(消費電力のW数とアンプの出力のW数は違いますので、検討するときに注意が必要です)例えば僕の使っているVOXのAGA150という製品(オススメですが廃版商品です)ですが、こちらは150Wのアンプ出力があります。150Wというと僕の経験上60~80人規模の室内ライブでは余裕のある音が出ます。
この余裕があるということが非常に重要で、小さい出力のアンプを精一杯の音量で鳴らすのと、容量的に余裕のあるアンプで余力を残したまま音を出すのでは音の広がりが違います。通常のカフェライブで150Wも必要ありませんが、今後ステップアップして60人以上のお客さんを前に歌うことを考えると、60W以上あれば、音量的に後々後悔しない選択になってきます。
機能の確認
アンプの機能としてエフェクターが内蔵のものがあります。エフェクターとは音を加工する機能ですが、マイクやギターにリバーブ(カラオケでいうエコー)をかけたり、コーラスという音が揺らめく加工ができるものがあります。リバーブは音に奥行きが出ますし、上手にかければ演奏もうまく聞こえます。エフェクターをあとから追加するには別の機器が必要になりますので、最低限リバーブが付いたものをオススメします。エフェクターのON-OFFは自由にできますので、曲や会場によってかかり具合を調整できます。
また、路上ライブでも使えるアンプを選ぶなら充電機能 or 電池駆動機能は必須です。路上ライブ用のアンプはあまり大きなW数のものが無いようですが、外で音を出すと音が散ってしまいますし、あまり大音量だと迷惑になりますので、15W程度で十分なのかもしれませんね。
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➡「路上ライブに適した弾き語り用アンプのおすすめ5選(充電式・電池式)」
音質について
アンプはメーカーによって音がぜんぜん違います。こればかりは実際に弾いてみるのがベストです。上記のポイントを踏まえて、自分の理想に近いアンプを見つけてください。と言ってもなかなか選びにくいもの。ネットで買おうとしている方は悩みどころですよね。
ほとんどのアンプには音質を調整するノブ(イコライザー)がついています。BASS、MIDDLE、、、のように個々の音域を調整できるものです。メーカーによって音が違うものですが、このイコライザーの機能が付いていれば、好みの音色に近づけることは可能です。
ただ、、、イコライザーは便利なのですが、これをイジりだすと何が正しいのかわからなくなります(笑
弾き語り用アンプのおすすめベスト6
弾き語りに特化したアンプを紹介します。最近のアコギアンプは、メーカーが違っても出来ることの差がそれほどありません。個人的な印象ですと、高額な商品ほどノイズが少なく、音作りの幅が広いと感じます。持ち運びを考えると、重量も気になりますし、お客さんから見えることも考えるとデザインも気になりますね。
あなたの好みとライブスタイルに合った機種が見つかるといいですね!
画像がリンクになっていますので、製品詳細と最新価格がご確認いただけます。
第6位 「AER ( エーイーアール ) / Compact60/3」
金額的に、他の機種よりズバ抜けて高いので、”導入しにくい”という点から第6位ですが、音質がすばらしいことで昔から人気のメーカーです。Compactシリーズの前はBingoというモデルが大変有名でした。Compact60は60Wの出力ですが、カフェや小ホールでの演奏には十分な音量が出せます。僕の尊敬する先輩が使っていて、その音質には驚愕しました。まさに”プロ仕様”といった音質です。世界中に信者がいるAERアンプ、予算が許すならばまず最初に検討したいメーカーです。本体価格12万円前後です。
第5位「ROLAND ( ローランド ) / AC-33」
AC-33(22W)は電池駆動可ができます。このシリーズの特徴はスピーカーがステレオになっていること。エフェクターをかけたときの音の広がりは他メーカーを抜きん出ています。音質はシャリシャリした硬い音という印象。このシャリシャリ感が合わない人には向きません。イコライザーで多少は調整できますが、メーカーがこういう音を狙って作っているのでしょう。このシリーズを持っている人は多いですね。さすが国産メーカー、作りこみの品質はピカイチです。
AC-40(35W)、AC-60(60W)、AC-90A(90W)と音量&機能別で種類があります。
第4位 「BOSS ( ボス ) / ACS-LIVE Acoustic Singer Live」
BOSS ( ボス ) / ACS-LIVE Acoustic Singer Live
天下のエフェクターブランドBOSSからもついにトガったアコギアンプが登場しました!このアコギアンプの特筆すべき点は、ルーパー内蔵というところです。もちろん、BOSSが培ってきたエフェクターの技術が盛り込まれていますので、ハーモニーを付けてくれる機能やUSBでパソコンと接続できる機能など、他のメーカーとは機能的に一線を画しています。(ルーパーやハーモニー機能を足元で操作するフットスイッチは別売りです)
今後、ライブでの音作りに幅を持たせたいとお考えなら、ぜひ選んでほしいアンプです。武骨すぎるデザインがなんとも残念ですが、その分機能や音は申し分ないですね。上記の画像リンク先で公式動画が見られますので、このアンプでどんなライブが出来るのか、その目でご確認ください。
当アンプは出力60Wで、通常のカフェライブなどでは十分の音量が確保できますが、上位機種で120WのAcoustic Singer Proというモデルもあります。ただ、重さが14kg以上ありますので、ちょっと持って行きまーす^^といった手軽さはありませんね。よっぽどの音量が必要でなければ、60Wモデルで十分かと。
第3位「ACUS ( アクス ) / One For Strings 5T Wood」
ACUS ( アクス ) / One For Strings 5T Wood
ACUSはイタリアのアンプメーカーです。日本ではほとんど聞くことのないメーカーでしたが、最近出回るようになりました。
このアンプの特徴はなんといってもルックスですね。弾き語りが出来るアンプの中では飛びぬけてスタイリッシュです。お客さんの目を引くこと間違いなしですし、ミュージシャン同士でも話題になるでしょう^^機能もマイク+ギターが同時に使え、小さいながらも30名くらいのお客さん相手のライブでは十分の音量があるでしょう。
これより大きな音量のOne For Strings 6T WoodとONE FORSTRINGS 8といったラインナップがあります。イタリアというだけでなんか惹かれますね(笑 僕も今のVOXアンプが壊れたらこのアンプが欲しいです。
第2位「Laney レイニー / A1+」
Laneyはエレキギターアンプで有名なイギリスのメーカーです。A1+は80Wで12.5kgとちょっと重いですが、2チャンネル入力で音量十分、リバーブも搭載と必要十分な機能です。80Wで3万円台前半はうれしいですね。
リンク先でデモ動画が確認できますが、Rolandに近いシャリシャリした音です。音作り・ギターやピックアップの性能によるところも大きいですが、A1+はイコライザー部での音質調整が「ベース、ミッドスイープ、ミッドレベル、トレブル」としっかりできますので、自分の気持ち良い音に近づけることはできます。
さすがイギリス!といったスタイリッシュなデザインで音量・性能ともにカフェライブには重宝します。また、アンプスタンドを使わずにアンプを傾けて設置できるところもポイント高いです。(他のメーカーも同じように傾けられる作りのものが多いです)
第1位「Fender Passport MINI」
お客さん20人くらいの小スペースでのライブならこれで決まり。
Passport MINIはアコースティック専用のギターアンプではありませんが、エレキギターも弾かれる方にも超オススメ。モデリングアンプ技術で往年のFenderアンプの音を再現していて、これが超気持ちいい!ライブでも自宅でも最高の相棒になります。また、電源アダプターの他に単二電池でも駆動できる点がポイントです。(出力が7Wなので、路上で爆音とはいきませんね)
入力部にあまりたくさん調整ノブが並んでいると、どこを調整するのか混乱します。自分でしっかり音を作りこみたい方には良いですが、とにかく繋いでボリューム上げるだけでいい音出したい!という方にはPassport MINIの仕様はうってつけ。迷うようなボタンがありません。
※エフェクターON/OFFのフットスイッチが接続できないので、ライブで使う場合は手元操作が必要になります。
弾き語り用アンプ周りで あると便利なものと機能
フットスイッチ:アンプの機能のON-OFFが可能。歌うときはリバーブON、しゃべるときはリバーブOFF等の操作が足元でできる。(アンプによっては別売りの場合や、フットスイッチが繋げない機種もあります)
アンプベンチ:アンプの角度を変えるアンプ用スタンド。アンプのスピーカーをお客さんの耳に向けて、最適な音量で演奏しましょう。傾けることには、音を遠くへ飛ばす意味があります。(スピーカーのツィータというパーツがお客さんの耳に向いている状態がベストと言われています)ネットでアンプベンチを買う場合はアンプのサイズに合うかどうか確認が必要です。最近のアコギアンプは傾けられる仕様のものが多く、アンプベンチ要らずの製品が増えました。
AUX IN:例えばスマホ等でカラオケを流しながら演奏するような場合、このAUX IN入力があるとアンプのスピーカーからギターやマイクの音と、スマホ等の音を混ぜて出力できますので、そういった用途が考えられれば、この端子の有無を確認してください。
音質にシビアになる方は、アンプの他にギター、そしてピックアップの種類も重要です。より生々しいギターの音を目指される方にはこちらの記事でおすすめのピックアップを紹介しています。
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また、ギターとアンプを接続するためのシールドケーブルでも音質が変わります。品質の良いケーブルを使うことでノイズ低減にもなりますので、下記記事を参考にしてくださいね。
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さいごに
アンプは低音を響かせるために、重量を重くしてある機種が多く、選ぶ際は重さも考慮しなくてはなりません。せっかく買ってはみたものの、重すぎて会場に持ち込むのが大変でライブ活動が億劫になってしまった・・・なんてことにならないように、慎重かつ大胆にmyアンプを選びたいですね!
個人的には僕も使っているVoxのアコギアンプもおすすめしたいところですが、VOX=エレキアンプのイメージが強く、なかなか浸透していません。最近出たモデルなんかかなりおすすめなんですけどね~^^興味あればこちらの記事を確認ください。
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皆さんの弾き語りライフが充実することを願っていますノ
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