PCレコーディング、順調ですか?
PCレコーディングに使うオーディオ・インターフェース(以下オーディオIF)には「24bit-96kHz」といった表記があるのをご存知かと思います。いわゆるハイレゾ音源の制作に対応していますよ、という表記です。
※↑最近は24bit-192kHzが主流のようですね。
この数字には意味があり、レコーディング時に効果をもたらすことができます。「なんとなく数字が大きい方がいいんでしょ?」って感じで使ってませんか?
周波数とビットレートの考え方、そして高音質で音源を作りたければどんな設定にすればよいのかをお伝えします。宅録の収録設定を最適化していきましょう!
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レコーディングにおけるビットレートと周波数とは
ビットレートと周波数
24bit-192kHz
24bitを「ビットレート」と言い、192kHzを「周波数」と言います。これが決まると、最終的な音源のビットレートが決まります。ビットレートというのは情報量です。数字が多い方が音が良い、と思い込みがちですが、音の良さ=高ビットレートは必ずしも一致しません。
オーディオIFは、初期は「16bit、44.1kHz」に設定されているものが多いようです。ですので、あなたが設定を変えない限り、「24bit-192kHz」等の高レートで録れていないのです。この辺りはあまり気にせずに録っている場合が多いんじゃないでしょうか。
「16bit、44.1kHz」はCDのレートです。このレートでwaveファイルに出力しないとCDに焼き込めません。普通に扱うには一番トラブルの無いレートですね。僕も簡易録音ではCDレートで録ってます。
では、全体のビットレートを上げれば、音質は上がるのでしょうか?
周波数とビットレート、どんな効果があるの?
録音時の音質を操作すると情報量が多くなります。周波数とビットレートを調整することで、増えた情報量は音にどんな影響を与えるのでしょうか。周波数とビットレート、それぞれの効果を見ていきましょう。
周波数(サンプルレート)
周波数を増やすと、音が滑らかになります。音を拾うポイントが増えるからです。
44.1kHzと96kHzでは録音できる周波数の上限が約2倍違います。高い周波数の音を良く収録できるようになるんですね。音が2倍よく聞こえるわけではありませんが、アコースティック楽器の収録では、96kHzの方がより高音がのびやかに録音できるとされています。
ビットレート
ビット数を増やすと、音の大小(ダイナミクス)が、よりくっきりします。
周波数とビット数の関係を、上記のように表現すると「じゃ、両方とも高い方がいいんだ!」となります。しかし、「24bit-192kHz」で作られた音源と「16bit-96kHz」の音源を聞き分けられる人はそれほど居ないでしょう。これは、人間の耳が聞こえない部分まで再生しているからです。ハイレゾが謳われている機器で音楽を聴いても「違いが判らない」という人がいるのはこのため。耳が悪いわけではありません。
DTMのおすすめ書籍
ビットレート・周波数ならびに、初心者がDTMでつまづきやすいポイントを丁寧に解説してくれている書籍があります。僕もレコーディング時に悩んだらすぐこの本を開くようにしています。DTM界では著名な藤本健先生の書籍ですので、安心です^^
弾き語りレコーディングの最適な周波数・ビットレート
周波数とビットレート、それぞれどのくらい増やせば、宅録において最適なセッティングが得られるのでしょう。
実際に耳で聞いて違いが判りやすのは「周波数」の方です。周波数は音の滑らかさが変わると説明しましたが、44.1kHzを96kHzにするだけでも音の違いがわかります(なんとなく、というレベルですが)。96kHzと192kHzの違いは、僕には判りませんでした。わからない部分まで録音するのは無駄にハードディスクを消費するだけですね。
ビットレートは16bitのままで十分かと思いますが、自分で色々試してみることは必要です。16bit音源と24bit音源を聴き比べて「全然ちがうじゃん!」という良い耳をお持ちの場合は24bit設定でがんばってください!
ビットレート・周波数を上げると、音の情報が増えた分だけファイルの容量が大きくなりますので、ハードディスクの空きには十分注意が必要です。あまりパワーの無いPCだと処理が追い付かず、フリーズすることもあります。あなたのPCが快適に動くビットレートを探しましょう。
レコーディング用パソコンに必要なスペックは下記で紹介しています。
➡DTM用パソコンの必要スペックは?弾き語りメインのマシン選び
レコーディングに最適な高性能パソコンを無理なく手にれる方法は下記で紹介しています。
CDにする場合でも高ビットーレート・高周波数録音の推奨
CDを作る場合、CDレート「16bit 44.1kHz」で音源を制作するわけですが、昨今のDAW(録音ソフト)にはビットレート・周波数を変換する機能があります。これを上手に使うことで、レコーディングは高ビットレート・高周波数でし、ミックスダウン時にCDレートに落とす、といったことが可能です。
最終的にCDレートに落とすなら最初から「16bit 44.1kHz」で録れば?と思うでしょうが、「16bit 44.1kHz」で録音した音源と、「24bit 96kHz」で録った音源を「16bit 44.1kHz」に変換した音源では音質が違います。これは感覚ではなく、耳で感じられるほどの差がありあす。不思議ですね。ハイレゾ録音の恩恵をCDレートにも活かせるんですね!
”微妙な違い”と言ってしまえばそれまでですが、特に弾き語りのように音数が少なく、繊細な音源の場合には非常に有効だと思っています。
ぜひお試しあれ!
※ビットレート・周波数の設定・変換方法はDAW(録音ソフト)によって操作方法が違いますので、マニュアル等で調べてくださいね。
さいごに
自宅でのレコーディング(いわゆる宅録)は機材さえある程度揃えれば、なんとなくできてしまうものです。
しかし、出来上がったものが音が小さかったり、なんだか音がクリアではなかったり、、、と深い穴にハマるんですよね。オーディオインターフェースのビットレート・周波数も宅録ミュージシャンがその理解をおそろかにしている機能のひとつだと思い、適正なセッティングをまとめました。
ハイレゾ音源を再生できる機材は増えましたが、あなたの作る作品がCDレートのままではその恩恵に預かれません。周波数とビットレート(とくに周波数)をちょっとイジるだけで、最終的な音に違いが出てきますので、豆知識として覚えておきましょう!
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