ギターの弾き語りに使われるギターは主に「アコースティックギター(略:アコギ)」といわれる種類のギターです。アコースティックギターには弦が金属のタイプやナイロンのタイプ、また大きさやデザインも様々です。
こういったメーカーも種類もたくさんあるアコースティックギターの中から、あなたの弾き語りに適したアコギを見つけるコツをお伝えします。当記事の内容は以下の通りです。
この記事でわかること
- どんなギターが弾き語り向きか
- あなたに合ったアコギの選び方
- アコギを選ぶ時の予算
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【初心者必見!】弾き語り用ギターの選び方
さて、「弾き語り専用につくられたギター」というものはあるのでしょうか?
僕は30年近くギターを弾いていますが、”弾き語り専用”と謳われるギターに出会ったことがありません。ギター製作の過程で弾き語り向きに作られることはあるかもしれませんが、あえて「弾き語り専用」として売られているギターは見たことがありませんね。
ギターは、特にアコギはギター1本1本で音色も音量も音質も違います。弾き語り用として作られても、弾き手によっては「全然わたしの弾き語りに合ってないじゃん!」ということもあり得るわけですね。
そこで、30年近くギターを弾いてきた僕なりの「弾き語りに向いたギター」の考え方を紹介します。
- 声とギターの音量バランスがちょうど良いこと
- あなたの声質とギターの音質が合っていること
この2点に注意し、あとは下記で紹介する「ギターの選び方」に着目して好きなギターを選びましょう!
声とギターの音量バランス
あなたの声の音量とギターの音量のバランスが良いと、弾き語りを聞いている方はすごく聞きやすいのです。特に「声6:ギター4」といった割合で、声(歌詞)がお客さんにちゃんと届くように音量バランスを考える必要があります。
この音量バランスを考えた弾き語りは非常に上手に見えます。やはり弾き語りのメインは歌ですからね!どんなにギターがうまくても歌をかき消してしまっているようではミュージシャンとして残念なパフォーマンスです。
ギターには音量の個性もありますので、普通に弾いても大きな音が出すぎるギターは扱いづらいです。そういう意味で、あなたの声量にマッチした音量で弾けるギターが必要です。
ギターの音量はギターの大きさだけでは決まりません。「ドレッドノート」「ジャンボ」といった大き目サイズのギターがありますが、これらより小さいギターでも大きなギターに負けないくらいの音量が出るものもあります。それほどギターは個体差が大きいのですね。
見た目でギターを選ぶのは大いに結構ですが、弾き語りするときに自分の声量とのバランスはよくよく考えてください。
声質とギターの音質
ギターの音質があなたの声質に合っているかどうか。ギターを買う前に、なかなかそこまで考えが及ばないものです。しかしながら、重要な要素だと思っています。
ギターには音質という個性があります。(イメージ的に)泥臭い音が出るギターもあれば、きらびやかな音が出るギターもあります。メーカーにより大体の音質は決まってくるのですが、この「ギターによる音質の違い」にも着目してギター選びをしてほしいと思います。
たとえば、「しゃがれ声にきらびやかなギターの音質」という組み合わせ。面白いとは思いますが、聞いている方の違和感はすさまじいですね。それをあなたの個性とするのは結構ですが、世の中はイメージで見られますので、やはり「しゃがれ声には枯れたギターの音色」がベストマッチかと思います。
まずは自分の声質をよく分析することが大切です。よくわからない場合は録音して自分の歌声を聞いてみましょう。あくまでも歌声を確認してくださいね。しゃべり声と歌声はかなり違う場合が多いので。
自分で判断がつかない場合は、あなたの歌声を誰かに聞かせて、客観的な意見をもらってもよいでしょう。思っている以上に「ポップな歌声」だったり「ロックな声質」だったりするものですよ^^
音量バランスの取れたライブの実例
僕が組んでいるユニット「たまいよーすけ」のライブ動画です。小さなカフェで、アコギも歌もカホンも生音でライブした時の動画になります。ライブの中で僕が一番気を使っているのが音量バランス。やはりお客さんに歌詞とメロディを届けたいですからね。ギターを控えめに、できるだけ歌が際立つように演奏しています。参考にしていただければ。
使用ギターは下記でも紹介しているラリヴィーOM-60です。
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20本以上弾いてきた僕が本気でおすすめしたい弾き語り用ギター
本気でおすすめする弾き語り用ギター
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初心者向けアコギ選びのコツ
次に、ギターの選び方のコツを紹介します。上記で紹介した「弾き語り向きのギター」をイメージして、今度はギターを弾くうえで操作性に関わってくることについて考えてみましょう。ギターに挫折しないためにも重要な項目になってきます。
ギター選びのコツ1:弾きやすいこと
弾きやすいことは非常に大事なことです。一番重視すべきポイントだと思っています。弾きやすさにもいろんな種類がありますので詳しく解説します。下記の内容すべてが弾きやすさに関わってきます。
弦を押さえやすいこと
弾きやすいことのひとつの目安として「弦を押さえやすい」ということがあります。弦を押さえやすいギターというのは、指板(左手で弦を押さえる場所)からの弦の高さ(弦高-げんこう-)が適正にセッティングされているギターです。
初心者の方は特に、買ったままギターを使われているケースが多いのですが、ギターはセッティング次第で弾きやすくも弾きにくくもなります。力いっぱい弦を押さないとちゃんと音が出ない!なんて方は、ぜひ一度ご自身のギターのセッティングを見直していただきたいですね!
ギターの弾きやすさの調整方法を下記記事で紹介しています。自己責任で試してみるのもいいですが、かなり難易度は高いので、基本的にはギターを買ったお店に相談してください。「ギターの弦高(げんこう)調整をお願いしたいのですが」といえば通じるはずです。
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【写真付き】アコギを弾きやすく!自分でできる弦高調整方法
弦高を自分で調整して、あなたのギターをさらに弾きやすくしよう!
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ネックを握りやすいこと
弦を抑える部分をギターの「ネック」といいますが、このネックの幅や厚さによっても弾き心地はずいぶん変わります。あまり幅や厚みがありすぎても、指が届かずコードが抑えにくいですし、逆にネックが薄い・細過ぎても弾きにくいものです。
手が小さい方にはネックが薄い・細いギターがおすすめなのですが、ネック厚が薄いと音が細くなる傾向があります。またネック幅は細すぎると、ギターとしての強度が足りず、弦の張力に負けてネックが反ってくる可能性が高いです。どこでバランスをとるのか難しいところですね。いろんなギターに触れてみることをおすすめします。
ちなみに、アメリカのテイラー社のギターはネックが細く作られているタイプが多いため、初心者にも弾きやすいと人気です。個人的にもテイラーの明るいサウンドは好きですね。長年弾き込まずとも、買ってすぐいい音がするのがテイラーの特徴です。
ギターを抱えやすいこと
ギターの抱えやすさも重要です。お伝えしているようにギターには様々なサイズがあります。サイズが違えば弾きやすさも音量も違います。そして抱えやすさもずいぶん変わってくるのです。
アコギを立って弾くにしろ座って弾くにしろ、ギターが大きすぎて手が届かない!といったことが無いように、ギターのサイズ感には注意した方が良いです。
女の子がドレッドノートといわれる比較的大きなサイズのギターをかき鳴らしている姿はカッコいいですが、ギターを持て余している感もあります。やはり自分の体に合ったサイズのギターを選定しましょう。
ギターのサイズで注意する点は、ギター全体の大きさもありますが、ギターのボディの厚さにも違いがあることです。ボディの厚さは抱えやすさに直結しますので、いろんな厚さのギターを試してみて、抱えやすさと音色・音量などのバランスが取れた1本を見つけられるといいですね!
ギター選びのコツ2:チューニングが合うこと
チューニングはギターの要です。どんなにチューニングしても合わないギターがありますが、そういったギターの金額を聞くと「やっぱり・・・」と思います。安いギターが全部チューニングが合いにくいかと言えばそんなことはありませんが、本当にどうしようもないものはあります。
市販されているギターなんてチューニングが合うもんじゃないの??と思われるかもしれませんが、工場で出荷される段階では合っていたチューニングも、木の性質によりチューニングが合いにくいギターに変わっているかもしれません。特に、ハイコード(7フレットや9フレットなどの高い位置で弾くコード)やカポをはめて演奏する時などに、このチューニングの精度の差が現れます。
買った後からでもギター屋さんに頼んで、合わないチューニングを微調整ができるギターもありますが、限界があります。やはり、高い精度でチューニングを保つことができるギターを最初から選びたいですね!
ギターの価格帯で言うと、15万円を超えてくるようなギターは、「チューニングが合わなくてひどい」ということが無い印象を持っています。僕もすべてのギターを弾いているわけではないので、もっと安い価格帯でもチューニング精度が高いものはあるかもしれませんね。
価格を抑えるために、ギターの品質(チューニング精度や弾きやすさ等)を落としているとしたら、本当にそれがユーザーのためになるのかな?と思わざるを得ません。
アコギを選ぶ時の予算・いくらのギターを買ったらいいの?
この価格のギターならあなた向きですよ!初心者に最適ですよ!!と断言はできません。なぜなら、人によって手のサイズも音色の好みも、声量も違うからです。また、価格が同じ全く同じモデルのギターでも音量や音質・品質が違ったりします。個体差といわれるものですね。
ただ、じゃあいくらならいいんだ!と困ると思いますのである程度の予算を提示します。
ズバリ10万円~15万円のギターがおすすめです。この価格帯の中から、これまで説明してきた「あなたに合ったギター」を選定してみましょう。
あなたがもし、「自分だけでギターを選ぶのは不安だ」「欲しいギターがあるけど、本当に私に合っているかわからない」ということであれば、僕にメッセージをください。一緒にどんなギターが合うか考えてみましょう^^
いきなり10万のギターなんて買えない!
「ギター続けるかわからないし、お金もない。」ほとんどの方がそうでしょうね。そんな人向けに「諸々セットで1万円!」みたいな初心者ギターセットもあります。まずはギターに触れてみたいんだ!という方向けに初心者セットのまとめ記事もありますので、下記をのぞいてみてください(ギターの品質は度返しです)。ギタースタートに必要なものがまとまったセットになっています。
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【初心者向け】間違いだらけのギター選び:失敗しないアコギの選び方
あなたに合ったアコギの正しい選び方
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いきなり15万円のギターってそうそう買えるもんじゃありません。よっぽどギターに対して本気か、お金に余裕のある方だと思います。ただ、ギターの品質をお金で買うと思えば、その品質が後の弾きやすさや、丈夫さにつながってきます。自分が出せる最大限の金額で予算を見積もってみましょう!
と、こんな風に書くとあなたは僕のことを「最初から高くていいギターを使っていたんだろうな~」と思うかもしれません。しかし、僕のファーストギターは小学5年で父親に買ってもらった3万円の子供用クラシックギターでした。そして、高校生になって初めて買ったアコースティックギター(いわゆるフォークギター)は5千円で譲ってもらったものです。
ですので、最初から高いギターを買う必要はないと思います。お金に都合がつかないこともありますもんね。ただ、長く弾いてきて思うのは、「やっぱりある程度値の張るギターは品質も良く弾きやすい」こと。ギターの弾きにくさが理由で挫折してしまうのは非常にもったいない。ギターによって弾きやすさも音色も音量も全然違うのだから。
ちょっと脱線しますが
僕の知り合いのギタリストで、2~3万円のチープなエレアコで素晴らしいギタープレイをする先輩がいます。こういった演奏を見ると「安いギターでもいい音が出るんだ」と思いがちですが、その方の腕(テクニック)あってのすばらしい演奏です。その方は、ギターの演奏中にチューニングが狂えば、演奏を途切れさせることなく一瞬でチューニングをし直せるほどのプロフェッショナルです。とびぬけた上手さと、ギターへの深い理解がなければこんな芸当はできません。
やはり腕の無い人が2~3万のギターを弾いても、2~3万の音しか出ないでしょうね。「高いギターには理由がある」ということを理解してほしいと思います。
まとめ
弾き語り用のギター選びについて詳しく解説してきました。あなたに合ったギターが見つかる気がしてきましたか??もう一度弾き語り用ギターを選ぶ要点をまとめておきますね。
弾き語り用ギター選びの注意点
- あなたの声量とギターの音量のバランスが取れていること
- あなたの声質とギターの音質が合っていること
- あなたにとって弾きやすいギターを選ぶこと
- あまり安いギターは選ばないこと
この3つの点を思い出してギター選びに出かけてください!あなたに最適なギターで弾き語りをスタートすれば、音楽がより好きになりますよ♪あなたに最適なギターが見つかったら、ぜひ教えてくださいね~^^