弾き語リストが、いざ自分の演奏をレコーディングしようとするときに、レコーディング方法ってわかりにくいですよね。マイク1本で、ギターも歌も「せーの」で録ってしまう”一発録り”は悩むことは無いかもしれませんが、問題はギターと歌の別録りです。
録音ソフト(DAW)の取説にも録音方法は解説されていますが、弾き語りを別録りする順序までは書かれていません。
そこで、あなたの弾き語りを上手に別録りする手順を紹介します!
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弾き語りレコーディング ギターと歌の別録り方法
ギターと歌だけの音源を作ろうと思っている場合でも、弾き語りを一発録りするより、ギター・歌を別録りしたほうが、レコーディングの編集がスムーズにいくことがあります。
現代のレコーディングソフトの機能は大変優れていて、「ボーカルのある一か所だけピッチを編集したい」、「ギターのリズムが崩れたところを少しだけ修正したい」という事が可能です。何がなんでも最初から最後までノーミスでレコーディングする必要はなくなってきています。こういった機能を柔軟に使えてこそ、レコーディングが楽になるので、どんどん使っていきたいですね。
録音の前に知っておきたいテクニック
レコーディングには「パンチイン」「パンチアウト」というテクニックがあります。あなたのお使いの録音ソフト(DAW)にも必ず付いている機能です。このパンチイン/アウトを使いこなせると、”曲の途中から取り直したり、曲の一部だけ取り直して差し替える”ということが可能になります。現代の音楽はこのパンチイン/アウトでできているといっても過言ではないほどよく使われる機能です。お使いのDAWのマニュアルに解説がありますので、よく読み込んでからレコーディングにチャレンジしましょう!
別録り順序1:仮歌の録音
まず、あなたが録音しようとしている楽曲の仮歌を録ります。このときはマイク1本で弾き語りを録れば十分です。ギター・歌を別録りするときに、この仮歌を流しながら(聞きながら)本番のギターや歌を録っていきます。
ですので、”仮”とはいっても重要なポイントがあります。それはテンポやリズムを最大限注意して演奏することです。仮歌の段階でリズムが崩れたものを録音すると、それを基に本番も録音するわけですから聞きづらいんですね。ボーカルのピッチやギターのミスはこの際無視して、とにかくリズム・テンポが崩れないよう仮歌を録るのが理想です。
リズムやテンポに気をつけながら弾き語るには、DAW(録音ソフト)のクリック(メトロノーム)機能を使います。このクリック音に合わせて演奏します。クリック音は自分の好きな音色に変えられるDAWもありますので、聞きやすく、演奏の邪魔にならない音色・音量を調整しましょう。
別録り順序2:ギター録り
歌とギターどちらを録っても良いのですが、僕の経験上ギターを先に録音した方が、次に歌を録りやすくなります。本格的に録音したギターを聞きながら歌えますからね。
アコースティックギターのレコーディングには様々なテクニックがあります。たとえば、マイクを2本立てて音の奥行きを出したり、エレアコならギターの生音とラインの音を別トラックに同時に録音してギターの音に個性を出したり。この辺りはアイデアと狙っている音次第です。色んなことが試せますが、歌にしろギターにしろ生音を本録りする際に大切なことは、できるだけ大きな音で録ることです。当然”ピーク(0db)を越えない音量の範囲で”です。
最近のDAW(レコーディングソフト)は賢いもので、小さく録った音も大きく加工する機能があります(ノーマライズ)。しかし、この機能を使いまくってしまうと、小さなノイズも大きな音になってしまいます。これではクオリティの高いレコーディングはできませんよね。
詳しくはこちらをご覧ください。
➡「レコーディングしたら音が小さい。弾き語り録音時の注意点と解決法」
ギターや歌を本録りするときに注意したいのが、録る音以外の音が入ってしまう事。部屋の外の音や、服の擦れる音、椅子のきしむ音などには注意できるのですが、意外と対策を忘れがちなのがヘッドフォンからの音です。クリック音を聞きやすく大きくしている場合、ヘッドフォンから漏れて、その音をマイクが拾っている可能性があります。
クリック音はギターを録った時に確認してもわからないことが多いです。しかし、音量調整(マキシマイズ)したときに目立ってきます。せっかくギターの良いテイクが録れても、このクリック音のせいで台無しになることもあります。クリック音の音漏れ、音量には十分気を付けて、何回か録って確認してみてから本番演奏にトライしたいですね。
音漏れを防ぐために、密閉型のヘッドフォンは必須です。
SONY ( ソニー ) / MDR-CD900ST
普段弾き語りをしている人に「さぁギターだけ弾いて」といっても、なかなかギターだけ弾けるものではありません。歌いながら弾くことが体に染みついているんですね。ギターだけ録りたいのに、歌ってしまうと歌も当然録音されてしまいます。そんなときは、口だけ動かして、声を出さずにギター演奏してみてください。僕はこれでギターだけ録れるようになりました。
別録り順序3:歌録り
弾き語りレコーディングの最後の締めは歌です。弾き語りは歌が命ですので納得がいくまで何テイクでも録りましょう!とはいっても歌い続けると喉の状態が変化し、声が変わってしまう可能性があります。できれば3~4テイクで目指すものが録れるとベストですね。
ギターや歌が最初から最後までノーミスで演奏できることがベストですが、プロでもなかなかそうはいきません。そこで、通常のレコーディングではパンチイン・パンチアウトというテクニックを使って、間違ったところだけ録り直します。ですので、ミスするまで弾き続けて、ミスしたところだけ録り直すのが一般的です。このときに注意したいことはマイクとの距離感です。
ギターや歌といった生楽器・生演奏ものを録るときの注意です。いったんミスや中断でマイクから離れてしまうと、それまで録っていたマイクとの距離がわからなくなります。このことが頭に入っていないと、録り直した箇所の音量や音質が違う!ということになってしまいます。(特にギターはマイクの角度や距離で音がかなり違いますので注意したいですね。)
通常は、多少の音質差や音量差は、エディット(録音後の調整)する際にわからないよう処理します。しかし、DAW(録音ソフト)の操作や、イコライザーやコンプレッサーの性質を理解していない初心者には、この調整が非常に難しいのです。
そういった意味で、マイクとの距離感を失わずにレコーディングすることは大切です。ギターのミスが多くて細切れに録音してしまっても、音質や音量がさほどかわらなければ、後の調整が非常に楽ですからね^^
マイクに部屋の外の音や、生活音が入り込んでしまう場合は、下記のようなフィルターが便利ですよ。
なんかボーカリストっぽくてカッコいいですね^^↓こんな感じです。
弾き語り録音時の部屋の環境について
あまり意識している方はすくないかもしれませんが、録音する部屋の音の環境ってけっこう大事です。
録音するときには、できるだけ部屋の反響音を抑えた環境で録音すると良いといわれています。こうすることで、録音した後の音の加工がしやすためですね。
たとえば、部屋が鉄筋コンクリートのような密度の高い素材で出ているとします。そうすると、音は壁に当たり返ってくるので、自然のリバーブ(エコー)がかかった状態になります。これって、歌いやすいのですが、録音にはあまりよろしくない状態です。
となると、この部屋の「鳴り」を抑える必要がありますよね。そこで活躍するのが吸音材であったり遮音材であったりします。カーテンやカーペット、ソファーなど、音を散らす効果があるものを入れるだけでも大分音の反響は減らせますので試す価値ありです!
詳しくはこちらをご確認下さい。
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さいごに
レコーディングに正解は無いと言われます。しかし、人に聞かせられるクオリティを保つには、ある程度テクニックを知っておく必要があります。
弾き語りレコーディング初心者の作品は、どうしても音源が素人っぽくなりがちです。録り方の手順を知らないからですね。ギターの腕前よりも、レコーディングの王道手順を覚えて、まずはその通りやってみること。そして自分なりの録り方を模索していけば、おのずと上手に録れるようになります。僕も今でも勉強中ですが、初期の頃の作品なんかヒドくて聞けないですね^^;
ミックスやマスタリングにも当然テクニックがありますが、まずは加工(調整)しやすい音で録ることを覚えましょう!
弾き語りの録音ポイントは
- 仮録り
- 大きな(適切な)音で録る
- マイクとの距離感
ですよ!!
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