ギターの祖と言えるギブソンギターですが、僕はギブソンほどギター選びに困るメーカーも無いと思っています。ギブソンのエレキギターはそこそこ品質も安定している感がありますが、アコギに至っては付いている価格に対してまったくもって信用ならない品質のものも多くあります。
”Gibson-ギブソン-”という名前だけについている価格、いわゆるネームバリューが強すぎるんですよね。今まさに「ギブソンが欲しい!」と思っているあなたにはぜひ、ギブソン・アコギ選びの注意点を覚えてもらいたいです。僕がそこまで警戒する理由は以下の通りです。
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ギブソンのアコギをおすすめできない理由
冒頭「信用ならない品質」と書きましたが、ギブソンアコギのレギュラーラインのギターはとにかく作りが雑(笑)。いや、笑い事じゃないですね。たとえば人気のモデルJ-45なんて新品で買えば20万円ほどします。それなのに「鳴らない・チューニングが不安定」は当たり前。名前とルックスだけに20万円払うようなものです。
同じ価格帯でもマーチンの20万円のギターとは音の質が異質なものでしょう。マーチンとは狙っている音も設計も木の材も違うのですから、当然音は違います。それでも同じ価格帯であれほどチューニング精度や鳴りそのものに差があると、お金を払う意味すら見失います。通販で、現物を見ずに買う場合はいよいよ注意が必要ですね。マーチンとちがって個体差が激しいギターブランドという印象です。
楽器屋さんで同じモデルを数本弾き比べても、同じような出音なんですよね。薄っぺらいベニヤ板を張ったような音というか・・・。現代では、鳴るギターに出会えないのでは?と思うほどギブソンのアコギは名前だけになっているものが多いです。
ギブソン・アコギはなぜ鳴らない?
そもそもギブソンギターは音量が大きく、「鳴るギター」筆頭のギターブランドでした。それが、良質な木材の入手が難しくなったことや、いい加減な作り(企業姿勢なのかな?)が災いして徐々に品質を落としていきました。特に、良質な木材が規制や数の減少で手に入らなくなった影響が大きいと指摘されています。
「ギターは育てるものだ、自分で音を良くしていくものだ」。たしかにそういう考え方もあります。僕もギターの音は扱い方・弾き込み方で大分変化していくものだと思っています。しかしながら、近年のギブソンレギュラーラインのアコギは、「本当に音が育つの?」と疑ってしまうくらい初期の段階の音がショボいものが多いのです。購入者は「こんなものだ」「これから音を育てるんだ」と思って買われていくんでしょうか。。。
鳴らないのも個性?
鳴らないギターも個性だという人がいます。近年はPAの技術も発達し、鳴り過ぎるとハウリングしたりして音を拾いにくい為、鳴らないくらいがちょうど良いんだとも。ピックアップを仕込んでPAで音を作る使い方がメインならば「鳴る・鳴らない」は問題にならないのかもしれません。
しかし、常に弾くメインギターが鳴らないと練習にも身が入りませんよね。ギターはその生音にこそ魅力があるわけで。それに、他のアーティストが鳴るギターを持っていると、自分のギターとのギャップで悲しくなります。やっぱり鳴るギター・チューニングが安定したギターであることは大切だと思いますよ。
ギブソンのアコギを買うならこんなモデルがおすすめ
じゃあギブソンのアコギは使えるものは無いの??となりますが、そんなことはありません。
レギュラーラインのギブソン・アコギの中でも奇跡的に鳴る個体はあるでしょう。作りが良かったとされるビンテージ・ギブソンのアコギを探すのも一つの手です。「70年代までのまでのギブソンは鳴る個体が多かった」「いや80年代もまだいける」などオールドに関してはいろんな考え・主張があるようです。
ギブソン使いとして有名な秦基博さんのJ-45は1966年製だそうですが、さがせば30~50万円くらいでこの年代のJ-45は手に入りますよ。音が良くてもかなりボロボロかとは思いますが。ルックスも込みでの”ビンテージギター”ですからね^^
新品ならカスタムショップ製
また、カスタムショップ製のギブソン・アコギは作りが全然違います、当たりの個体に出会える確率は高いと思います。共演者のギブソンが「いい音だな」と思って見せてもらうと、たいていカスタムショップ製の個体です。
レギュラーラインのギブソン・アコギで鳴る個体を探し続けるよりも、カスタムショップ製に絞ってギターを選定してみるのが吉でしょう。人が手作業で作っていますので、カスタムショップ製の中にも個体差はあるのですが。
カスタムショップ製は何が違う?
ひと口に”カスタムショップ製が良いよ”といっても、レギュラーラインと何が違うのかわからないと納得できませんよね。カスタムショップ製は、「レギュラーラインより良い材を厳選して使い、腕の立つビルダーが専門の工場で作っている」とされています。されている以上信じるしかないわけですが(笑)
実際にレギュラーラインのギブソン・アコギとカスタムショップ製を弾き比べると、作り込みや音の質が違う事がわかります。この違いが感じられなければ、あえてカスタムショップ製など買わずに、レギュラーラインを買えばいいわけです。信じられるのは最終的に自分の耳ですからね。
カスタムショップ製の探し方
ネットでもショップでも「カスタムショップ製」と表記されていればわかりやすいんですが、ギブソンは型番からは分かりにくいんですよね。これはもうお店に確認した方が早いです。シリアルナンバーから判別する方法もあるそうですが、調べるのに一苦労ですよね。
カスタムショップ製は、レギュラーラインのものより値段が1ランク上ですので、値段でも予想できるかもしれません。例えばレギュラーのJ-45が20万円前後だとして、カスタムショップ製は30万円以上だとか。限定品だったりするとカスタムショップ製以外でも40万円したりしますので、この限りではありません。
さいごに
僕もギブソンのアコギで良質な個体を探し続けている一人です。積極的にお店に出かければ、すぐに良い音の一本に出会えるんでしょうが、どうしても他のギターに浮気してしまうんですよね。きっと自分の感覚が、音のち密なマーチン系が好みなんでしょう。
色々書いているうちに、なんだかギブソンギターの悪口のようになってしまいました。アコギ、ギブソンを愛するゆえのアドバイスとして、これからギブソンを手にするあなたに読んで欲しいと思います。
ネットの情報だけを仕入れて頭でっかちにならずに、実際にお店に出かけて生の情報・生の音を仕入れてください。「意外とレギュラーラインのギブソン・アコギも悪くないじゃん!」となるかもしれません。また、「やっぱりネット上で言われていることも一理あるな」と納得するかもしれません。
ギブソンギターを取り巻く現代の状況をしっかりインプットしたうえで、ギター選びを続けてください。ギブソン購入に関しては、お店でたくさん弾き比べることをおすすめします。
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