僕はライブでギャラを頂くようになってから常に考えていることがあります。
それは「どうやったら自分の価値(評価)を高めて、よりライブのオファーを頂いたり、出演料をしっかり頂くことができるようになるだろうか」ということです。
音楽をやっている以上、あなたも”お金を頂いて音楽を演る”ということに憧れがあるはずです。
今回は、書籍を引用しながら「自分を安売りせず、評価を高めて行く方法」を僕の実体験と共に紹介します。特に弾き語りで活動されているアーティストには再現性が高い方法だと思っています。
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「結果を求めることにこだわる」それがミュージシャンが自分の価値を高めるコツ
僕が読んだのは上記の「自分を安売りするのは”いますぐ”やめなさい。」という書籍です。Amazonでかなり評価の高い書籍です。
僕はライブの依頼はいただくものの、なかなか単価が上がらないので「このままでよいのか?」という悩みがありこの本を手にしました。ライブでもっとお金が欲しい!なんてことを言うと、お金の為にライブをしてる、守銭奴だ!と言われそうですね。しかし、しっかり出演料をいただいて、その期待以上のライブをする。それこそがライブの企画者もお客さんも、そして演者の僕らもみんながwin-winになる方法だと確信しています。
日本人はなぜかお金を稼ぐことに嫌悪感や罪悪感を抱きがちです。しかし、「ライブなんて無料でいい」「歌わせてもらえるだけで幸せ」などと、常に自分から持ち出していては精神的にすり減ります。
上記の書籍には、そうならないためのセルフブランディング方法が散りばめられています。ビジネス書ですが、音楽もビジネス。僕なりにミュージシャンとして当著を読んだときの捉え方を下記に記します。
当著で一番ガツンと響いた言葉を最初に紹介しておきます。
セルフバーゲン即刻禁止
ミュージシャンはがんばっていれば勝手に評価があがるわけではない
よく勘違いしている人がいますが、「ずっと音楽活動を続けて入ればいつか花開く」ということ。これは、ほぼ間違いだと思っています。がむしゃらに音楽をやって一発当てようなんて考えは宝くじを買うようなもの。完全に運の世界です。
やはり自分の評価を高めていくには”戦略”が必要。むしろ戦略無くして音楽活動無しとも言えます。
まず、「とにかくライブをこなす」「どんなライブでも出る」ということに本当に意味があるのか考えなくてはなりません。少しでもギャラを頂いて音楽をやっている方はもう気付いているはずですよね。「これじゃだめだ」と。
戦略とはセルフブランディングです。ようするに、「あなたじゃなきゃダメなんだ」とライブの依頼者に言わせるってことです。これができれば、ライブなんて寝ていても依頼が入ります。僕はそこまではできていますが、次がなかなか出来ていません。
それは、「安いライブも受けてしまう」ということ。ミュージシャンとしての評価がまだまだ低いということですね。
自分を安売りする人は「いい人」ではなく「安い人」
著では
自分を安売りする人は「いい人」ではなく「安い人」
と表現されていました。これ、ズバリの言葉ですよね。一度安く受けてしまうと次から単価なんか簡単には上がりません。そして安くても断りにくいですよね。
しかも「あの歌い手さん、安くてお得なのよ~」なんて噂が広まって、安い単価でライブをどんどん頂いたら身が持ちません。精神が先にやられてしまいます。「安くライブを依頼できるミュージシャン」は身を滅ぼすだけなのですね。僕はいまここで苦しんでいるところです。
1時間のライブで数万円いただくところもあれば、ギャラはお弁当などの現物支給の場合もあります。どちらのライブも当然全力ですから精神的なダメージが大きいのです。ただし、すごく大勢の前で歌えるとか、普段は歌えない場所で歌えるといったメリットがあれば、それはギャラ云々言っている場合ではありません。しかし、基本的には、結果にこだわらないと”その程度”で終わってしまうミュージシャンになる、という危機感を持っています。
価値をつけるのは自分。価値を下げているのも自分。
いきなり「出演料5,000円で2時間のライブをやってほしい」と交渉してくる場合も少ないでしょう。僕の経験では、ライブの企画者はライブをすることでアーティストにはいくら支払ったらよいか知らないケースが多いです。
僕のケースでいえば、「ライブをお願いしたいのですが、いくらお支払いすれば来ていただけますか?」という問合せを頂くことがあります。このときに、自分の価値を自分で下げていると、「無料でもいいですよ」とか「交通費程度で・・・」などと言ってしまいます。
これがそもそもの間違いです。自分では「もっと評価を上げたい!」と思いながら、自分自身で価値を下げている結果です。そこで僕は、当著で書かれている内容を引用し、自分に当てはめてみて考えました。
安売りを膳とする人たちから身を守る
まず、「とにかく安く呼びたい」。そう考えて連絡をくれる方はそもそも僕を評価してくれていません。そう考えることにしました。評価の対象見てもらえない現場に時間もお金も使っていくのは馬鹿らしいものです。
基本的には、ライブの出演条件や出演料などを聞いて「考えさせてください」とか「スケジュール調整してみます」などと言って即答を避けます。こちらの条件を伝えて、それでも演奏してほしい!となれば出ればいいわけですし、それならいいやとなればそれでいいのです。安い価格で何度も呼ばれるような関係は早めに絶つべき、というのが僕の結論です。
上記で書いたように、そのイベントに出ることにお金以外の価値が見いだせればこの限りではありません。
自分の価値を認めてくれる人と出会うこと
最近つくづく思うのですが、ライブとは人との縁だということ。とくに「僕らのライブだからお願いしたい」と連絡くれる方々は本当に喜んでくれ、熱心に宣伝してくれ、出演料も気前よく出してくれます。
結局、「僕らの音楽を評価し、価値を認めてくれる方々」こそ、ずっとお付き合いしていくべき方なんですよね。ライブができるのがうれしくて、なんでもかんでも出演します!でやっていると、僕らの歌を聞いたことすらないのに「安く歌ってくれるからいいらしいよ~」とか「人たくさん呼んでくれるアーティストみたいよ~」ってな感じで声がかかります。それってちょっと違いますよね。
著の中でこんな言葉がありました。
「花には蝶が集まり、うんこにはハエが集まる」
うんこをどんなに飾ってもうんこはうんこです。せいぜい集まるのはハエ止まりです。
ちょっと汚い言葉ですが、実際その通りだと納得しました。僕らを安く使おうとしてくる人は、自分自身が引き寄せているんですね。
弾き語りミュージシャンが評価を上げる方法なんてあるの?
あります!!
先ほどから評価評価言っていますが、弾き語りミュージシャンがまわりからの評価を上げていく方法なんてあるの?と思われていることでしょう。
しかし、その方法は確実にあると思っています。僕はそれを実践することで、ギャラのあるライブを年間20本ほどいただくようになりました。評価は一朝一夕では上がりません。時間もかかるし、自分の考えを変えなくてはならない部分もありますが、「結局プロってそういうことなんだな」と思える内容です。実戦の価値あり!です。
あなたの何を認めてもらう(評価してもらう)の?
ミュージシャンは歌だけ頑張っていれば良いのでしょうか?
違いますよね。ミュージシャンは歌(演奏)を頑張るのは当然で、技術があるのも当然。それは最低ラインです。では何を評価してもらうのでしょう。
これは僕の経験とそして当著から答えがでます。
答えは「信頼と実績」です。
信頼とは信用と言い換えることもできます。ライブの企画者からすれば、「ライブオファーしても返事が無い、返事が遅い、なかなか日程や金額が決まらない」。そのようなミュージシャンを信頼・信用できるでしょうか?
信頼・信用を勝ち取る
これは逆の立場になってみるとわかります。あなたはどんな人を信頼しているか、それが自分にも当てはまります。僕であれば、連絡がなかなか取れないミュージシャンには2度とライブのオファーを出しません。イベントに出て、スタッフや共演者、お客さんに一言のお礼もないようなミュージシャンにも2度とライブのオファーをしません。その人の人間性を信用できないからです。
結局信頼・信用とは、あなたの人間性への評価だと思うのです。
実績を積む
実績をライブの数ととらえてしまうと大きく道を逸れます。ただ歌えば実績が積めるわけではないですよね。何を実績の指標とするかはわかれるところですが、僕はこう考えます。「お客さんや企画者に喜んでもらえたライブの数=実績」。
お客さんに喜んでもらえるライブって確かな手ごたえがあります。それは、ライブ後のCDの売り上げであったり、お客さんからのレスポンス(話しかけてくれたり、会場全体が盛り上がったり)です。好反応のライブをいくつ積み重ねられるかが、ミュージシャンとしての質を上げると考えています。
信頼と実績が「自信」になる
人に信頼され喜んでもらえるライブを続けていると、ミュージシャンとしての自信が付きます。自信はオーラとなって滲み出るものです。簡単には自信は付きませんが、付いた自信は簡単に失うこともありません。なぜなら、たくさんの人に評価してもらった証が「自信」だからです。
どんなライブをしたらお客さんや企画者に喜んでもらえるの?
喜んでもらえるライブとは
- 客層によってセットリストを変える
- 場所や季節、時間などによってセットリストを変える
- ライブ企画の主旨に沿う(チャリティーやフェアなど
「簡単に喜んでもらえたら苦労しないよ」と聞こえてきそうですね。しかし僕は、ライブで喜んでもらうのは簡単だと思っています。
楽器や歌が上手い、とかハーモニーが良いといったテクニック的なことは大前提です。ミュージシャンならこれらの努力なしでステージに立つべからずですね。
その上で、上記のように「ライブの客層・TPOを考える」ことが非常に大事です。これができると喜ばれるライブができるようになります。僕はライブ前のリサーチは欠かしません。どんなお客さんを前にどれくらいの時間歌うのか、会場はどんなところか、時間帯は?季節は?気候は??と事前にできる準備はたくさんあります。
また、ライブ中のMCも重要です。やっぱり「堅苦しい」より「面白い」を求めてお客さんはライブ会場に来るんですね。
以前MCについては下記の記事を書きましたのでご参考に。
➡「ライブMC、何を話したらいいの?話に困らないテクニック」
セットリスト(曲目)の重要度を軽く見てはいけない
「オリジナル曲が聞きたいのは根っからの音楽ファンか、あなたの熱狂的なファンだけ」これをしっかり頭に入れておいた方が良いです。オリジナル曲では売れないと言っているわけではありません。長渕剛さんも、忌野清志郎さんも「俺はオリジナルしかやらなかった」と答えていますし、そういったアーティストが売れてきたケースもあります。
しかし、今の時代が求めているのは「圧倒的個性を持ったスペシャリストというより、マルチに要求を満たしてくれるジェネラリストの場合が多い」のです。ジェネラリストとはミュージシャンで言い換えれば「幅広い楽曲を客層に合わせて歌える」ということになります。要するにカバー曲も歌うアーティストですね。
僕もオリジナル曲を書きますので、長いことカバー曲を歌うことに抵抗がありました。「自分はオリジナルアーティストだ!」というプライドがあったんですね。しかし、お客さんを喜ばせるという目的の前では、そのプライドはカスのようなものです。
カバー曲を、というと「個性が・・・」「オリジナリティが・・・」という人がいますが、カバー曲で個性を出せないようなミュージシャンって、オリジナル曲も大したことないです。
もう一度言いますが、お客さんを喜ばせるためにプライドが邪魔するようなら、お金やお客さんの時間をいただいて歌う資格がありません。そういう気持ちがあるならば、今ここで書いてある内容も憤って読んでいることでしょう。精神的にも良くないので、早めにこのページを閉じてください。そして自分が思う通りの計画を実行してください。
人は、自分の知っている歌・自分の好きな歌を聞きたいものです。ライブに来てくれるお客さんひとりひとりの好きな曲を事前に調査することは不可能ですが、時代を代表するような名曲を抑えておけば、たいてい外すことはありません。それだけ有名曲ってパワーがあるんですよね。
カバー曲を「あなたとお客さんの距離を縮める特効薬」と思って歌えば、たいていの曲は歌えるはずですよ^^
カバー曲を歌うことのメリットは下記のページで解説しています。
➡「ライブで歌うカバー曲は選曲が超重要!あなたのファンはカバーで増える」
カバー曲を歌ってみてわかるカバー曲の効果
僕がこれだけ「カバー曲、カバー曲」というのには理由があります。それは僕自身がカバー曲でファンを増やし、CDの売り上げを伸ばし、ライブのオファーをたくさんいただいているからです。
カバー曲を名刺代わりにしているわけではありませんが、お客さんが知っている曲を歌うというのは非常に重要です。その1曲が頭に残ったという理由で連絡先を聞かれたり、CDを買ってもらえるケースが増えました。もちろん、有名曲に負けないようなオリジナル曲もそろえていかなければなりません。いつまでも「あの人はカバーは上手いんだけどねえ・・・」なんて言われたくありませんからね。
お客さんが何を求め、何で喜んでくれるのか考えれば、その時々で何を歌うのがベストか見えてくるんじゃないでしょうか。そこで自分のポリシーを曲げられるか、それとも自分の信念に沿って音楽活動をするのかは、あなた次第。
ミュージシャンは謙虚さを忘れたら終わり
ミュージシャンとしての評価を上げる方法を書いてきましたが、これらの方法を地道に、愚直に実践することでジワジワと評価は上がってくるでしょう。
しかし、そこで天狗にならず、CDが売れたとしても「今日は運が良かった」。売れなかったとしたら「今日のパフォーマンスが悪かったせいだ」とおごらずにいることが肝要です。
人は、人気が出たり、ちょっとお金が入ったりすると自分が王様になったような気になります。これまでの苦労があるから、その反動で天狗になってしまうのかもしれませんね。しかし、それをやってしまうと、これまで築いてきた信頼を失うことになります。信頼を取り戻すのは、信頼を築くより大変です。ミュージシャンならずとも謙虚さを忘れてはいけませんね。
僕は、ライブの出演料が低い!と憤るより、そんな低い単価を出させている自分の評価が低いんだと思うようにしています。
さいごに
僕と同じような境遇のミュージシャンは多いはずなんですが、ミュージシャン同士で戦略などについて話す機会はありません。僕も聞かれたことが無いです。
これが良くないんですよね。僕は聞かれればいくらでも話しますし、協力もできます。同じ”音楽”という土俵で戦っている同志ですからね。変なプライドを捨てて、がつがつ聞いてくる人は、楽器でも音楽でも結果を出す人が多い印象です^^
愛されるミュージシャンになる心の手引
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