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■曲作りについて

作詞のコツ 難しい言葉を使わずに言葉選びで個性を出す方が伝わる

作詞って作曲より難しいですよね。

作詞を難しくしているのは、実は自分自身の考え方なのですが「文字で個性を出したい」という思いが強いとなかなか作業が進みません。そこで僕自身が作詞作業において気を付けていることをあげてみます。僕自身の忘備録として深堀りしてみます。

同じように作詞で悩まれている方の参考になれば。

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作詞のコツ 難しい言葉を使わない

TVやネットであふれている新しい音楽って言っていることがまぁ難しい(笑)字幕(歌詞カード)が無いと何を言っているのかわからない。使っている言葉が難しいんですよね。これらはプロの作詞家による仕事なんですが、辞書を引かないと意味が分からない言葉をガンガン使っています。

難しい言葉を使うことで個性を出そうとしているんですね。ファンならばそれでも喜んで聞くでしょうが、本当に伝えたいことが伝わっているのかな?と思います。僕には伝わりません。自分の語彙力が無いのは置いておいても、やっぱり難しい言葉が多いなと感じます。

日本語に”こだわり”を持ちたい

AメロBメロは日本語、サビは英語というアーティストも多いですね。自身が英語を理解して使っているならいいと思います。理解している言語なら感情を乗せることができますからね。しかし、リスナーに英語の辞書を引かせるくらいなら全部日本語で伝えようよ・・・と思ってしまいます。バンプだって英詞で歌っていたのを日本語に直したら売れたんですよね。

「誰に伝えるか」「どうしたら伝わるのか」をよく考えたいものです。あなたの歌にメッセージがあるのなら、伝わる歌詞を書こう!という意識は強く持つべきです。

僕が大尊敬している作詞家のひとり、松井五郎先生の作詞スタイルは本当に勉強になります。安全地帯からジャニーズまでカバーするその守備範囲の広さで、30年以上トップクリエーターとして君臨しています。まさに作詞界のドン。詩の意味が本当にわかりやすいんですよね。難しい言葉を使わずに、心がほっこりするような詩を書き続けていらっしゃいます。

そうなんです、松井五郎先生の作品は歌詞ではなく「」なんですよね、情景が浮かびます。

作詞のコツ 言葉選びで個性を出す

作詞って、個性的な事を言う必要は無いんですよね。個性は言葉の選び方(またはテーマ)で出すべきだと思っています。人と違う事を言いたいばかりに、難しい言葉を盛り込んでしまうのではなく、自分らしい言い回しを考えた方がよっぽど個性的な歌詞になります。自分自身から出てきた言葉なんですから。

自分自身から出てきた言葉が、多少誰かの楽曲に似ていたとしても、丸パクリでなければ問題ないんです。人はみな同じような感覚をもって生きているので、同じようなものを見て、同じような感想を持ちます。似ていて当たり前!それをどう自分なりに表現するかは、作り手の経験と直感に委ねられます。

あまり「ヒネろう、ヒネろう」とすると、簡単な言葉しか使っていなくても文章が伝わりにくくなります。聞いた人に考えさせる歌詞を書くのが得意なアーティストもいますね。それはそれで個性になっていますが。たとえ回りくどい表現になっていても「これは自分らしい!」と思えばOKとしましょう。

僕もよく「歌詞が難しい」と言われます。難しい言葉を極力避けていてもそういわれるのは、きっと性格がヒネくれているからなんでしょうね(笑)どうしてもストレートに表現したくないんですよね。「愛」という言葉を使わずに愛してると伝えたい、そんなヒネくれ者です。

作詞の参考になる楽曲たち

僕は昭和生まれのせいか、昭和に生まれた名曲たちに特別な感覚を覚えます。詩がグッとくるんですよね。現代の曲の詩が深くないとか平成に名曲が無いと言っているのではありません。やはり時代・世代を超えて愛される楽曲には特別な要素があるんだなと感じるのです。

昭和と聞くと「古臭い」と思われれるかもしれません。しかし昭和の名曲で歌われている内容に耳を傾けてください。詞だけ読んでも感動しますが、メロディやアーティストの声に素晴らしくマッチしてますよね。アーティストの声が良いから詞がスッと入ってくるとも言えます。詞・メロディ・声の3要素それぞれ相乗効果でひとつの楽曲を名曲へと押し上げています。

詞やメロディは流行り廃りがあるので、多少古臭い感じを覚える人も居るでしょう。しかし、言っていることは「愛や感謝」などの人間の普遍的な感情です。いつの時代でも変わらない想いですよね。ラブソングがあらゆる層に受けやすいのは、誰もが持っている感情だからでしょう。

特別難しい言葉を使っているわけでもないのに、長く愛される曲には理由があるんですね。僕もカバーしている昭和~平成の名曲をいくつか紹介します。

「時の流れに身を任せ」
詞:慎芝  曲:三木たかし

画質は悪いですが、歌詞が表示されていなくても伝わってくる内容と、情景がすっと入ってきます。1986年リリースの歌ですからもう30年以上前の曲なんですね。古臭いと感じますか?YOUTUBEのコメントにありますが、スピードスケートの浅田真央ちゃんがこの曲聴いてまた復帰しようと思ったというほど世代を超えて、力のある歌なんですね。僕は男ですがこの曲が大好きでよく歌います。性別も年代も国境も超える、それが音楽ですよね。本当にすばらしい歌・すばらしいアーティストです。

「秋桜」
詞・曲:さだまさし

秋桜といえば山口百恵さんですが、この曲はさだまさしさんが山口百恵さんのために書いた曲で、さださんご本人バージョンも動画でたくさん見ることができます。この曲を書いたときさださんはまだ25歳。うーん、、、お嫁に行く女性の心情を25歳の青年がここまで書き上げるなんて、どうなっているんでしょうか。天才と言ってしまうのは簡単ですが、なんというか情景や背景を紡ぎ出すのが飛び抜けてお上手なんですね、さだ先生は。いつかこんな曲を書いてみたいと思い続けている、珠玉の名曲です。

「あの頃へ」
詞:松井五郎  曲:玉置浩二

この曲は1992年の曲ですから平成の曲なんですね。子どもの頃お酒のCMで聞いて「いい曲だなぁ」と思っていました。歌詞を書いたのは松井五郎先生ですが、歌っている玉置さんの故郷・北海道の大きな空が自然と脳裏に浮かんでくる、そんな歌です。玉置さんと松井五郎先生の相性って抜群なんですよね。松井先生の歌詞はどんなアーティストに提供したものでも親しみやすさがあります。安心します。簡単な言葉たちを使って個性を出すのってすごいことですよね。

「なんか古臭いなぁ」とだけ感じ取ってしまうと、これらの歌の本質を見抜けません。そのことばひとつひとつが、なぜ人々の心を打つのか、なぜ時代を代表する名曲なのかを自分なりに分析することで、あなたの曲作りの大きなヒントを得られることでしょう。やはり支持されているものから学べることは多いのです。

さいごに

作詞において、難しい言葉を使った方がなんとなく作曲した気分になるんですよね。僕もよく陥った罠です。人と違う曲を作るには、ひとが使わないような言葉を!と思って書いていたものです。しかし、人が使わない言葉ってそもそも伝わらないんですよね。

一時期「刹那(せつな)」という言葉を使うアーティストが増えました。刹那は今でこそ一瞬という意味だとわかりますが、当時はファッションで使われていたような節があります。ちょっとかっこいいじゃないですか。しかし、使い捨ての音楽ならファッションで作詞しても良いと思いますが、作るなら名曲を作りたい!と思うなら「伝わる歌詞」を意識して作詞したいですね。僕も勉強中です!

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