僕は基本的に、アコギにはピックアップが必要と考えています。しかしながら、情況に応じてマイクでアコギの音を拾わなければならないライブシーンに遭遇することもあります。そんなときに一番気を付けたいのがマイクのハウリング。いかにハウリングを防いでアコギの音量を稼ぐかが、キモなります。
アコギのマイクセッティングには定石がありますので覚えておきましょう!
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ライブでのアコギ・マイクセッティング例
アコギの音をマイクで拾おうとするときに、大抵の人はギターのサウンドホールの真ん前にマイクを置きます。ギターから音が出てくる出口にマイクを置けば一番大きな音で拾えると考えるからでしょう。
しかし、この考え方でマイクをセッティングしてしまうとハウリングの嵐です。「ブォーーーン」とか「キィィィン」とか「ピィィィーーーー」などと鳴ってしまい、とても演奏に集中できるものではありません。レコーディング時のマイクセッティング並みにシビアに考える必要もないと思いますが、気持ち良い演奏の為に覚えておきましょう!
↑まずはこの向き&距離でセッティングしてみる。再度から、サウンドホールのど真ん中を狙わずに、フチのあたりを目掛けて。
それでもハウリングが起こる場合は、マイクを完全にネックに向けてセッティング。マイクとギターの距離は可能な限り近い方が音を拾いやすいです。
この方法はマイクの種類によって使い分けられるとベストです。マイクの種類には大きく分けて下記の2つがあります。
アコギに使えるマイクの種類
アコギによく使われるマイクの種類には、「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」があります。それぞれの使い分けについて解説します。
ダイナミックマイク
カラオケBOXにあるような、ごく一般的なマイクです。形のことではありません。内部の構造でダイナミックか、コンデンサーが分別されています。内部の回路や部品等の説明は省きますが、ダイナミックマイクは、衝撃にある程度強く、電源が要らないという特徴があります。また、湿気にも強いとされているため、ライブで重宝されるんですね。
コンデンサーマイク
コンデンサーマイクは録音感度が高く、非常にクリアな音質で収録できます。主にレコーディングで使われるマイクです。音は良いのですが、湿気や衝撃に弱い傾向があり、扱い方がシビアです。基本的には、湿気を避けながら補完する必要があります。また、電源が必要なことも特徴の一つです。
マイクの指向性
指向性(しこうせい)という言葉を聞いたことがあるかもしれません。マイクの指向性とは音を拾える範囲のことで、マイクによって違うんですね。カラオケに置いてあるようなマイクは無指向性といって、マイクのどの角度からでも音が拾える構造になっています。このため、万人に使いやすいマイクとされています。
このほかに指向性が設定されているマイクはライブハウスやギター・ボーカル専用のように、「その楽器の音だけを狙って拾う」構造になっているマイクです。指向性が設定されていると、ギターやボーカル以外の周りの音をできるだけ拾わない構造になっているため、音の周り込がありません。すなわちハウリングに強い構造とも言えます。
この2つの構造(無指向性と指向性)はライブ現場でマイクを渡されるまでわかりませんが、ライブハウスでは基本的には指向性、結婚式場のようなスピーチ用マイクを渡されたときはおそらく無指向性でしょう。
無指向性マイクは特にハウリングが起きやすいので、ギターのサウンドホール狙いはできるだけ避けます。
音量は自分でコントロールする
ピックアップと違い、演奏中にマイクからギターが離れてしまうこともあるでしょう。マイクからの距離はスピーカーからの出音に影響しますので、あまり離れてしまうと客席に音が聞こえなくなります。
強く弾く・弱く弾く、のように弾き方で音量をコントロールするのはもちろんですが、ギターとマイクとの距離感で音量をコントロールします。例えば、歌の伴奏の時はマイクとの距離を少し離し、ギターソロではハウリングが起きない程度に近づく、といった具合です。
マイクとの距離感で音量コントロールするのはかなり高度な技です。慣れていないとできません。マイクでギターの音を拾ってもらうことが事前に分かっていれば練習してからライブに臨むべきでしょう。
ミキサーの設定はボーカルと同じにしてもらう
また、ハウリングの起きる原因としてはミキサー側でのイコライザーの設定にも一因があります。
イコライザーとは
音質を細かく調整する機能のことです。音の周波数別に調整することができ、「ギターの低音だけ音量を上げる」、「ギターの高音だけ音量を絞る」といったことができます。この調整が非常に難しくノウハウや経験が必要な機能になります。
イコライザーの設定は僕も数十年触っていますが、未だに最適解がわかりません。
こういう場合は変にパラメータを変えてしまうよりはフラットに設定してもらいましょう!それでもわからなければ、ボーカルを基準にして、ボーカルと同じ設定にしてもらいます。(音量だけはボーカルとギターそれぞれバランスをとった方が良いです)。
弾き語りやボーカル曲の伴奏ならば、メインは歌ですので、歌が一番きれいに聞こえるセッティングが理想ですね^^ギターはあくまでもわき役に徹しましょう。
さいごに
何ごとも「いきなり」やってうまくいくことは稀です。「段取り八分、仕事二分」と言われるように準備あってこその本番。僕もギターのマイク収音にはずいぶん苦しみましたけど、ハウリングポイントさえ知っていれば何とかなるんですね。
ライブでのアコギマイキングは知っておいて損はない知識だと思います。発表の機会があればぜひ実践してみてくださいね^^
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