ギターって独学でも弾けるようになりそう。
確かに、インターネット環境があれば動画等でギターの基礎を学ぶことができるようになりました。欲しい情報を上手に見つけることができれば、ギター教室に通うことなくギターを習得できそうに思えるかもしれません。
僕はこれまで、60名ほどの方にアコースティックギターを教えてきました。ギターを教えている立場から、ギターの独学について考察してみたいと思います。ギターの独学は可能であるものの、独学してきた方は基礎技術に偏り、もしくは間違いがある場合が多いと感じています。
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結論:ギターの独学は上達への遠回り
ギターの独学は可能です。ですが、冒頭で述べたように下記の2点において、技術・知識のバランスが不十分なケースが多々あります。
- 基礎技術の不足
- 知識・弾き方の誤り
これら2点の内容を詳しく見てみましょう。
基礎技術の不足
ギターの基礎をすっ飛ばして、弾きたい曲をいきなり始める方がいます。あの曲が弾きたい!という思いは大変すばらしいことですが、何事にも順序がありますよね。ギターは両手、そして頭を使う楽器です。他人が弾いていて簡単そうに見えても、実際にはなかなか難しいことをしています。
弾き語りともなれば、ギターを弾くことに加え「歌う」という動作も入り、初心者の方はパニックになるでしょう。
ギターは、焦らずに基礎をじっくり固めていく方が上達への一番の近道です。
例えば、ギターの基礎技術には以下のような内容があります。
- ギターの持ち方・構え方
- 譜面の読み方
- コードの押さえ方
- ストロークの弾き方
- アルペジオの弾き方
- リズムの取り方
- ピックの持ち方
まだまだ基礎部分はたくさんあります。これらの基礎技術の意味と内容をしっかり理解していないと、変な弾き癖が付きます。僕の教えている生徒さんには、独学に行き詰って教室に来られる方もいます。そんな方に多いのは、「リズムの取り方が間違っている方」、「譜面が読めない方」です。
ストロークやアルペジオの弾き方などリズムに関わることは、ギターの基礎中の基礎です。できるだけ早い段階で「正しい弾き方」を覚えた方が良いのです。間違った弾き癖が付いてしまう前に。
知識・弾き方の誤り
たとえば、ギター歴は長いのにギターの部位の名前がわからない方が多いです。ペグ・サドル・ナット・弦高(げんこう)など、ギターについての会話するのに必要な名前です。こういった部位の名前から奏法(テクニック)やギターの調整方法・保管方法などもまんべんなく覚えて欲しいと思います。
覚えることがたくさんで混乱しますが、正しく弾いて、いつまでも元気なギターでいてもらうには必要な知識です。あなたの大事なギター、いつ手に取っても良い音で鳴ってほしいですよね。
譜面の読み方や、コードの覚え方などは癖です。最初こそ苦労しますが、この辺りを面倒くさがらずに時間をかけることによって、弾ける楽曲はどんどん増えます。ギターは時間をかけて覚えるものと意識して、焦らずに正しい知識をインプットしてほしいと思います。
アルペジオの弾く指の順番、ストロークのリズムの取り方、そうった細かいことには決まりがあります。なんとなくでも弾けてしまうギターですが、ひとつひとつの動作に理由があることを意識できれば、上達も早いでしょう。
個人的な考え方としては、ぜひギター教室で正しい弾き方を教わってほしいと思います。しかし、正しい弾き方さえ身に付けば、自宅で独学でも問題ないとも言えます。動画教材等を使って独学するときの注意を以下にまとめます。
ギターの動画教材を使った独学の注意点
Youtubeなど無料で見られる動画サイトには、間違った弾き方を平然と教えている方もいますので注意が必要です。やはりギターの教材として信頼に足るものを選べば、独学でも上達できるでしょう。
ギター初心者に向けた素晴らしい動画教材もたくさんあります。ただ、動画教材等はギター教室と違って「質問ができない」、「間違っていても指摘してもらえない」という問題があります。教材で独学をすすめる基準はすべてあなたの解釈次第ということになりますよね。
同じ教材で学んだ初心者が二人いたとして、技術や知識、上達スピードに差が出るのはこのためです。一人は教材の内容をいい加減に覚え進んでしまい、もう一人はじっくり取り組んで教材の中身をしっかり身に付けたとすれば、差が出て当然ですね。
教材という一方通行のレッスンの怖さはここにあります。人の性格によって理解度が違う=結果も違ってくるところです。
先生に質問しながら間違いの指摘を受けて、しっかり基礎から身に付けたい方には独学はおすすめできません。Youtube動画だけで、なんとか安くギターを習得したいと思っても、間違った弾き方を覚えてギター教室に入り直す・・・なんてことになれば、結果的にお金も時間も無駄になりますよね。
ギターの完全な独学での習得は、難しいというより「危うい」という認識をもって望んでください。
僕自身はインターネットがそれほど発達していない時代にギターを始め、数年は教本を参考に独学でした。ギター教室は近所にありませんでした。その後、独学の限界を感じギターの専門学校を選びましたので独学→専門学校という経歴です。
初心者一度はギター教室へ
ギター教室に通うか通わないか、一度教室を訪ねてみることをおすすめします。ほとんどの教室で体験レッスンをしてもらえるはずですので、問い合わせてみましょう。
レッスンを受けて、「こういう感じなら、ネットの情報で十分」と思うかもしれませんし「的確に知りたい事が教えてもらえるので有意義」だと感じるかもしれません。体験してみて自分に必要かどうか選べば良いのです。
ネットという強力な検索ツールがあるのに、お金を払ってギターのレッスンを受けることに抵抗があるかもしれませんね。その場合でも、一度ギター教室を訪ねてみてください。お金を払う価値がある教室(先生)と出会えるかもしれません。人との出会いは大切です。あなたのギター好き・音楽好きを何倍にもしてくれるかもしれませんよ^^
また、グループレッスンを行っているギター教室ならば、同じような境遇でギターを始めた「仲間」と出会えるでしょう。音楽・ギターという共通の趣味がありますので、すぐに意気投合するんじゃないでしょうか。僕のギター教室もグループレッスンですので、生徒さん同士が仲良くなって飲み会や練習会をよくやっているようです^^世代を超えて付き合えるのは音楽のすごいところですね。
ギター教室に通うメリットをまとめておきます。何れも対面で習うからこそのメリットですね!
ギター教室のメリット
- ギターの基礎を学べる
- 弾き方の間違いを指摘してもらえる
- 譜面の読み方を学べる
- 音楽仲間ができる
初心者のギター習得:理想は「教室+独学」
「俺は独学派だ」
「私は教室に通うわ」
などと、どっちかにこだわる必要はまったくありません。どっちの良いところも取り入れれば良いのです。
ギター教室で基礎を教わりながら、ネットや教本、楽譜などを自分で知識を高めていく方法がおすすめです。教室に通っているから教本も見ない、ネットでも調べない、というのはあまりにも知識が偏ります。ギターの世界は広いので、ぜひいろんな奏法やアーティストに出会ってください。
ギター教室が、あなたの知りたいこと、必要なことをすべて教えてくれるわけではありません。教室で教えてくれることは「一般的なギターの基礎知識」であったり「あなたが質問したこと」についてです。
教室以外でも自分で学習する気持ちをもってギター練習に励みましょう!1年で見違えるほど上達するはずです。
当サイトでも弾き語り上達のコツをたくさん用意していますので、覗いてみてくださいね~^^
➡「弾き語りのコツ まとめ」
さいごに
ギターの独学は可能ですし否定もしません。ただ、ギターレッスンを受けてみた上での判断でも遅くは無いですよ^^
独学だけでプロのギタリストになる方もいます。天才ですね。しかし、そういった方と同じ熱量で同じ努力ができますか?おそらく普通の人には無理でしょう。なるべくお金をかけずにギターを習得したい気持ちもわかりますが、自分への投資をできない人は何をしても遠回りですよね。
教室に通えば必ず上達するわけではありませんが、少なくとも間違った弾き方を覚えてしまうことは防げます。独学について、今一度「あなたに合っているか」考えてみましょう!