エレキギターで弾かれている楽曲をアコギで弾くことはできます。
ただし、エレキギターの奏法をそのままアコギで弾くにはかなり無理がありますので、その辺りはちょっと知恵が必要です。
今回はエレキ→アコギへの上手な変換方法をお伝えします。
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エレキギターの曲をアコギで弾くことってできる?
冒頭でお話しした通り、エレキギターの曲をアコギで弾くことはできます。とはいっても、音色も奏法も違う楽器同士ですから、100%同じように弾くことは不可能です。エレキの曲をアコギなりに弾く必要が出てきます。ちょっとしたコツと注意点を伝授します。
ギターコードは基本的に同じ
エレキもアコギも押さえるコード、弾く弦は一緒です。譜面にある通り弾けば、基本的には同じ音が出ます。同じ音と言っても、エレキギターはエフェクターやアンプで音を変えている場合が多いので、まったく同じ音色は出ませんが、コード進行の練習はアコギでもできます。
コードは同じですが、弾きやすさはエレキギターの方が格段に上です。これはギターの構造の問題で、エレキギターはアコギより細い弦を張ることが一般的で、また弦高(げんこう)も低く設定する場合がほとんどです。この違いが弾きやすさに直結するんですね。
エレキとアコギの奏法の違い
たとえばエレキギターには「チョーキング」というテクニック(奏法)があります。これは弦を指の力で押し上げて(押し下げて)音程を変えるテクニックですが、アコギではなかなかこのチョーキングできてません。弦が太い為、相当な力が必要だからです。
エレキギターの譜面でチョーキングの指示があっても、アコギではなかなか思うように弾けないでしょう。全く同じように弾けないまでも、チョーキングは音程を変えるテクニックですので、アコギではスライドで音程変化に対応する等、考え方を変えて”似たように弾く”ことは可能かもしれません。
アコギの神様と言われるトミー・エマニュエルはアコギでもガンガンチョーキングをしますが、彼のアコギは非常に弦高を低く設定してあり、エレキギターのように弾きやすくなっています。弦高は自分でも変更できますが、難易度は高いです。
下記の記事で解説していますので、興味のある方は自己責任でチャレンジしてみてください。
➡「アコギの弦高を下げて弾きやすくしよう!自分でできるネック調整方法」
アコギで速いギターソロは難しい
エレキギターの曲をアコギで弾く場合、ギターソロなどの速いフレーズはどうしてもアコギでは弾きにくいです。その理由は、アコギの弦の押さえにくさにあります。
上記で説明している通り、エレキギターはネックも細く握りやすい構造で尚且つ弦が細く、「速いフレーズを弾きやすい」ギターなんですね。また、エレキギターに付いているマグネティックピックアップというマイクは、磁力により弦の振動を拾っています。アコギと違い、かなり音を拾いやすい構造なんですね。少し触っただけでも音が出るのがエレキギターです。速弾きに特化しているんですね。
アコギは弦高を限界まで下げてもなかなかネックの太さまでは乗り越えにくいもの。アコギで速いフレーズだけはどんなに練習しても弾けない・・・ということもあります。それは努力が足りないのではなく、ギターの構造の違いですので仕方ありません。
この辺りはエレキの分野、アコギの分野と割り切って練習したいですね。
エレキギターの曲をアレンジしてアコギで練習してみる
エレキギターの歪んだ音や加工された音は、エレキだからこその音です。アコギにも生ギターで豊かな音色という強みがあります。エレキギターの音や奏法をアコギで再現するのではなく、エレキ曲をアコギなりにアレンジして演奏してみることを提案します。
速い曲ならアコギでゆっくり弾いてみる。また速いギターソロは省いてしまう。といった自分なりのアレンジです。ようするにアコギで弾きやすいように変えてしまうということですね。
エレキ曲そのものが好きであれば、リズムや曲のスピードなどが変わっても楽しめるはずですし、案外アコギのゆっくりバージョンがしっくりくる曲も多いものですよ!ライブなどでエレキ曲のアコギ弾き語りバージョンを披露すれば、注目を集めること請け合いです^^
エレキ楽曲の中にはもともとアコギで弾いても違和感のない曲もたくさんあります。スピッツの曲なんかはエレキでもアコギでも映えますね。
アコギでも音は変えられる
アコースティックギターは、エレキギターのように音を変えずに「生の音」を楽しむ方が多いのですが、アコギでも音を変えることはできます。あなたのアコギにピックアップが付いている「エレアコ」使用であれば、エフェクターやアンプを繋いでギャンギャンに歪ませることも、コーラスやディレイをかけて音を加工することも出来ます。
音を加工する機器をエフェクターと言いますが、このエフェクター、アコギ用のものも市販されています。僕も使っているおすすめのエフェクターを紹介しておきますね。
◆「TC HELICON ( ティーシーヘリコン ) / Play Acoustic」
ギターだけでなくボーカルマイクも繋げますので、アイデア次第で非常におもしろいことができます。ツイキャス等で音楽配信も考えているならば、この機種はPCに直接つなげますので、重宝するはずですよ!
エレキのようにアコギを弾くギタリストを紹介
ちょっと趣旨は変わりますが、エレキのようにアコギを弾くギタリストを紹介します。アコギでここまでできれば、もうギターはなんでもいい気がしますね^^;
Monte Montgomery
ギターこそアコギですが、奏法はエレキそのもの。音もアコギっぽさはないですね。それにしても2:57~のギターソロは圧巻です!!この人には、最近フェンダーからリリースされた、アコギとエレキの合体作:Acoustasonicを弾いてほしいですね。ギターのルックスはイケてないんですが(笑)
さいごに
エレキ曲をアコギで弾こうとすると、奏法の違いに戸惑うことでしょう。しかしながらアコギの知識で弾ける部分も多い為、上記で述べた注意点をよく理解していれば、スムーズに自分の中に取り込めるはず。
また、「やっぱりエレキの曲はエレキで弾きたい」という結論に至るかもしれませんが、それはそれでギターの醍醐味ですよね。エレキにはエレキの、アコギにはアコギにしか出せない音があります。色々試行錯誤してみてください。